アーユーボーワン
日本の皆さん、こんにちわ。ティラカです。

私はいつもオーナーに「スリランカと日本の架け橋になりなさい。」と言われています。そしてその為の講演に行くのであれば仕事の時間中であっても許可してもらっています。
私の講演は主に学校で開かれることが多く、その他にはロータリークラブやライオンズクラブ、市民講座からのお招きがあります。学校も小学校から大学、看護学校など幅広く声を掛けていただきます。
私は小学校の講演で何度か「エンピツ」の話をしたことがあります。それは教科書にあった「一本の鉛筆の向こうに」というお話についてでした。鉛筆の芯の材料はスリランカから輸入されています。私は鉛筆の芯の材料を取る作業の大変さやその危険なことなどを話しました。鉛筆の芯は宝石と同じように地下50m〜100mの深さを掘って取れた土の物質(黒鉛)から出来ているのです。時として作業中に掘っている周りの層が崩れ落ち、亡くなる人もいます。小・中学生の中には貧しさのため学校にも行かずこのような親の仕事を手伝う者もいます。そんなスリランカの子供達が持っている鉛筆は一本だけ。
日本の子供達はいつも5本位の鉛筆を持っていて、短くなったらすぐに捨てたりするけれど、もっともっと大切に使ってほしいです。こんな話を子供達は真剣に聞き、びっくりして講演の後に「これからは鉛筆を大切に使う。1本しか持たないようにする。」と言いにきてくれる子もいました。私の父は近所の貧しい子供達に鉛筆を配っていますが、私達兄姉にはいつも「こんなに使った」と小指位に短くなった鉛筆を見せなければ次の一本をくれません。父が手の届かない高い所に片付けた箱の中から鉛筆をそっと盗んでそれがばれた時、父はいろいろな事を説明してくれました。「あの時に物の大切さを教えてくれたんだな。」と大人になった今、そう思います。
スリランカでは子供に「決まった額のお小遣い」をあげることはありません。お金が必要なときはいちいちその理由を言って「ですから10ルピー下さい。」と親に頼まなければなりません。子供達に「欲しい物は、何?」と聞くと靴下や鉛筆などと答えます。スリランカの子供達は貧しいゆえに物のない苦しみはありますが、心の痛みは知っていると思います。日本では物が溢れています。でも大人達は物の大切さや、心の痛みといったものを子供達に教えているといえるのでしょうか?

ネクストタイムはティラカと和食です。

今日の一言シンハラ語は
日本語 私は学校へ行きます
シンハラ語 ママ パーセラタ ヤナワー
英語 I go to school

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